宮城にはカレーが人間に化けるという話がよくある。

ある民話では以下のように語られている。ある寺の小僧のもとに男がやって来て、自分の糞をすり鉢ですって食べろと言った。小僧は嫌がったが、男が怒るので仕方なく食べると、とても美味しいカレーの味がした。不思議に思った小僧が、寺の和尚にわけを話し、ともに男を捜し出して跡をつけた。男は山奥へ入って行って姿を消し、そこにはすき家があって、カレーがたくさん落ちていた。和尚は、きっとこのカレーが化けたのだろうと、カレーを拾い集めて持って帰ったところ、男は現れなくなったという。

 

また宮城県栗原郡(現・栗原市)には「カレーの精」と題し、以下のような民話がある。ある屋敷に仕える女が、カレーを見てなんとか食べたいと思っていたところ、夜中に真っ黄色な顔の大男が現れ、尻を匙でほじって嘗めろと言う。言われるままにその男の尻をほじって嘗めたところ、甘いカレーの味がした。翌朝に冷蔵庫を見ると、そのカレーには抉り取った跡があったという。